僕が一番人を幸せにできなかった旅行は、
大学卒業旅行で行ったオーストラリアの旅です。
その「人」とは、当時の彼女。
今の奥さんです。
あの時は海外に行きたい!その気持ちばかりが強く、相手の事を考えた旅行ではありませんでした。
どこに行こうかとほとんど話し合うこともせず、自分がオーストラリアが好き!という理由で、行先を決定しました。
具体的にオーストラリアのどこに行くかについても、それまでに僕自身が2回オーストラリアに行ったことがあるからという理由で、自分が行ったことのない地域であるメルボルンとエアーズロックに行く事を決めました。
当時、奥さんは文句の一つも言わずに快諾してくれましたが、これは人を幸せにする旅行とはほど遠いものだと今ならよくわかります。
その決定的な理由が、旅行3日目で奥さんから出た言葉でした。
「もう日本に帰りたい・・」
旅行は8日間でしたが、そのたった3日目でこの言葉を出させてしまったんです。
その後はなんとか旅行を続け、日本に帰ってきました。
楽しい思い出も多少は残ったかもしれませんが、3日目で帰りたいと思う旅行は今の自分なら0点です。(さらにひどかったのが、奥さんが日本に帰りたいといった事に対して当時の僕は怒っていました。こんなに楽しい旅なのに、帰りたいっていうなんて!って。完全に自分中心。今考えると最低な人間です。)
原因としては、様々なものが考えられます。
まずは、交通手段。
奥さんはあまり飛行機に乗ることが好きではありません。
それにも関わらず、この旅行中に6回も飛行機に乗りました。
行き帰りは乗継便で4回、エアーズロックまでの往復で2回。この時点であり得ない旅程です
自分は飛行機が大好きだったので、完全に自分中心で決めた旅行ですね。
次に、旅行中の日程。
旅行中は、自分が体験したい色々なオプショナルツアーを申し込み、遠くの場所へ観光に行く等、かなり慌ただしい旅行となってしまいました。
車での長距離移動が得意ではない奥さんにはとても辛い旅だったと思います。
最後に、食事。
食事は事前にほとんど決めず、現地で適当に決めたらいいかという思いで行きました。
旅に慣れている人や大人数の友達同士ならそれでも楽しかったかもしれませんが、この旅でそれを選択するのは失敗でした。
例えば、海外では中華料理が間違いない!と思っていた自分は、地球の歩き方に載っていた中華屋に行ったんですが、そこの雰囲気が奥さんにはとても怖く感じられたそうで、美味しく食べられなかったそうです。
他にも自分中心でしか決めていない旅行だったので、奥さんにとって辛かったことはたくさんあったと思います。
自分もそんな辛かった奥さんをフォローすることはほとんどしていませんでした。
これが「人を不幸にする旅行」の典型例ですね。
もちろん、人によって今回僕が計画した旅行は楽しいものになるかもしれません。
飛行機に乗るのが好きな人。予定がたくさん詰まっている旅行が好きな人。適当に現地の店に入って食事をするのが好きな人。
こういった人もいるので、決して今回の旅行内容自体が間違いではないとは思います。
しかしながら、嫌いな事や苦手な事がある相手にそれを強要するような旅行は絶対にダメです。
たとえ、それが無意識だったとしても。
旅行が好きな人にありがちな話ですが、自分の旅行方法が100点だと思っていることがあります。
昔の自分もそうでした。
けれども、あなたにとって100点かもしれませんが、相手にとっては0点かもしれません。
あくまでも相手の事を考えた旅行をすること。
それが「人を幸せにする旅行術」の根幹にある考え方です。
ただし、何度も言いますが、相手の事を考えすぎて、自分が我慢してしまうのは僕が提案している「人を幸せにする旅行術」ではありません。
人を幸せにする旅行。
自分も幸せになる旅行。
それが「人を幸せにする旅行術」の絶対ルールです。