旅行が好きと言うと、必ず聞かれるのが、
「今まで行った場所で一番良かった所はどこですか?」
と言う質問です。
良かった場所と聞かれるといつも本当に悩んでいました。
北欧4カ国はとても素敵だったし、カナダもニュージーランドも良かった。
国内で言うと断然沖縄が好きです。
ただ、やはり「場所」って言葉で表現すると自分の中でしっくりこない部分がありました。
そんな折、ある時しっくりくる質問が見つかりました。
それは、
「今まで行った旅行の中で一番印象に残っている思い出は?」
です。
この「思い出」という言葉であれば、迷わず答えることができます。
卒業旅行で行ったイタリア旅行
最も印象に残っている旅行は大学院の卒業旅行で行ったイタリアの旅です。
当時同じ研究室で共に研究に励んでいた男5人で、半年前からイタリアへ卒業旅行に行くと決め、修士論文を提出し終えた数日後イタリアへ飛び立ちました。
旅程は約14日間。
行きと帰りの飛行機、到着時のホテルのみを予約した行き当たりばったりの旅でした。
イタリアのヴェネツィアから始まり、パルマ、ボローニャ、フィレンツェ、アッシジ、ローマ、ナポリ等の様々な街を巡る最高の旅でした。
旅のバイブルである「地球の歩き方」を片手に、今日はどこに行こうか、どこで飯を食べようか、どこの世界遺産を見ようか、どこのホテルに泊まろうか。
みんなで話し合って、時には喧嘩し合って、大声で笑って、一緒に作っていった旅でした。
予約したホテルが全然見つからなかったり、友人の一人が体調を崩したり、バスで酔いすぎて吐きそうになったり、船で酔いすぎて吐きそうになったり、ローマ郊外の絶対にガイドブックには載っていないリストランテに行ったり、最高のピザ屋を見つけたり、カプリ島で青の洞窟には行かずに島の中(山奥)を3時間歩き回ったり、暴風雨に襲われたり、暴風雨の翌日最高の晴天に恵まれたり・・
色々なハプニングがあり、色々な最高の瞬間があり、色々な物語のある旅でした。
今でも思い返せば鮮明に瞬間瞬間が思い出されます。
ただ、思い出すのはいつも「人」との瞬間なんですよね。
自分にとって最高の瞬間っていうのは、やっぱり「人」と何をしたかなんです。
なので、おそらくこの5人と別の場所に行っていたら、きっとその場所が自分にとって最高の思い出となったと思います。
これが僕が、最も良かった場所はどこですか?と聞かれた時に、イタリアですと答えるのは躊躇い、最も印象に残っている思い出は?と聞かれたら、迷わずイタリアですと答える理由です。
自分が好きなのは旅ではなかった!?
自分はずっと旅をすることが好きだと思っていました。
海外に行きたいといつも周りに言っていました。
でも、ある時気付いたんです。
旅自体も好きですが、自分にとって重要なのは「好きな人と旅をすること」だと。
最高の瞬間は?幸せの瞬間は?と聞かれるといつも思うのは、
気の合う仲間と大きな川のほとりのお洒落なレストラン(ヨーロッパの石畳のイメージ?)の屋外テラスで、日が傾き始めのまだ明るい夕方にビールで乾杯する瞬間です
と答えてきました。
景色や場所はなんでも良いんですが、気持ちの良い空間で少し日が傾きはじめている時間帯に気の合う友人と乾杯。そして美味しい料理。
これが自分にとって最高の瞬間なんです。
今まで、自分の周りのほとんどの人には理解されませんでしが、やっぱりこれが自分にとっての幸せなんですよね。
一人で同じことをしたとしても、おそらく楽しくはないと思います。
幸せの感じ方も少ないかもしれません。
心から楽しいと思える人と一緒だから、楽しいんです。
卒業旅行で行ったイタリアは本当に幸せな旅行でした。
人を幸せにする旅行。
自分が幸せになれる旅行。
あと残りの人生で何度そういった旅行を経験できるでしょうか。